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プッシュプル方式の概略動作と特性

当記事では、絶縁タイプの回路方式:プッシュプル方式の概略動作と特性の概略動作と特性について解説します。

プッシュプル方式の概略動作と特性の回路動作

プッシュプル方式の概略動作と特性 | 電源開発・設計ソリューション

プッシュプル回路方式においては、DC(直流)出力のみでなくAC(交流)出力への対応も可能な回路です。上記回路例は、DC(直流)出力となります。①起動抵抗を通じてICに電圧が印加され、起動電圧を超えると制御用ICが起動し、スイッチング素子であるFETのゲートにIC出力よりスイッチング素子のどちらからのFETのゲートに信号が出力されます。②(※FETの駆動順については、ICで決められています。)

ゲート信号を受けてFETが、ON状態に入り③のようにトランスを介して電流が流れます。同時にトランス2次側に電圧が発生し④の経路で2次側ダイオードを通じて2次側に電力が供給されます。その後、ゲート信号が停止しFETは、OFFします。ある一定期間を過ぎた後、片側のFETをONさせるためIC出力よりゲート信号が出力され⑤の経路でトランスを介して電流が流れます。

同時にトランス2次側に電圧が発生し⑥の経路で2次側ダイオードを通じて2次側に電力が供給されます。結果全波整流され、出力コンデンサで平滑化され、負荷に安定した電力を供給します。出力電圧安定後は、他の方式同様にシャントレギュレータで設定されている電圧(出力電圧)を一次側にフィードバックをかけ制御ICで結果コントロールして安定動作を維持します。

プッシュプル回路では、基本的にON Dutyが、45~48%ぐらいで制御される事になります。これは、2つのスイッチング素子(FET)の同時ONを防ぐため、デッドタイムが設けられている事からです。同時ONした場合、非常に大きな短絡電流が流れ、場合によっては、破損に繋がる可能性があるためです。

また、プッシュプル方式では、トランスのBH曲線の全範囲を使用するためスイッチの性能のわずかな違いによって、 磁束の不均衡が生じることがあり、破損に繋がる可能性があります。

プッシュプル方式の応用回路

先に説明した回路例は、通常の(電圧型)プッシュプル回路方式となります。この回路は、電流型のプッシュプル回路方式となります。電流型のプッシュプル回路方式は、リアクトル(コイル)が入力側に配置し、そのリアクトルが、電流源として動作するため、この方式を電流型と呼んでいます。このリアクトル(コイル)の位置以外は電圧型も電流型も同じ回路構成となります。

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電圧型と電流型で動作の大きな違いは、電圧型の場合、スイッチング素子の同時ONすることは、破損に繋がるため、ICの制御内にデッドタイムが設けられ同時ONが発生しないようになっています。電流型のプッシュプル回路方式では、逆に同時にOFFすることができません。

制御が異なるため、回路構成としては、リアクトル(コイル)の挿入位置以外は、同じ構成であっても制御用ICを選択する時は、電流型プッシュプル回路方式用などで、探す必要があります。

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いかがでしたでしょうか。今回は、プッシュプル方式の概略動作と特性をご紹介しました。電源開発・設計ソリューションを運営するペックでは、小ロットからカスタム電源の開発・設計を承っております。さらには、開発・設計のみならず、製造・評価まで一貫対応しており、これまで幅広いお客様のご要望を実現してまいりました。カスタム電源開発・設計に関するご依頼がございましたら、お気軽にご相談ください。

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