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電源設計の豆知識

ループ回路面積の最小化によるスイッチングノイズ対策

電源におけるスイッチングノイズは、多かれ少なかれ、必ず発生するものです。基本的にはスイッチング周波数が高ければ高いほどノイズが出やすく、低いほどノイズは小さくなる傾向にあります。ただし、スイッチング電源としての機能を満たすためには、電源効率など保った上で、伝導ノイズの規格内に収めるよう設計することが求められます。

スイッチングノイズを低減する方法には様々な方法が存在しますが、今回は「スイッチング部のループ回路の面積を最小限とする」ことによる対策を御伝えします。

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上図は、CRスナバ回路の例です。まず、考え方として、スナバ回路部のループ(上図①、②、※2)について、極力パターンのループ面積を小さくすることで、ノイズの発生を抑制することが可能です。また、スナバ回路ループ同様に、2次側巻線(上図③)や1次側Vcc(※1)巻線部に関してもループを極力小さくすることで、基板設計時に全体的な低ノイズ化を図っておくことが重要です。

基板レイアウト例①

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①、②の1次側スナバ回路部においては、AC100V/AC200V入力の電源においては、高電圧が発生するため、安全規格で規定されるパターン間の沿面距離や部品リードとの空間距離を確保する必要があります。そのため、その距離を保ちつつ、ループ面積を極力小さくすることが、低ノイズ化を図るうえで重要となります。

基板レイアウト例②

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基板レイアウト①においても、かなり意識しての部品配置とパターン展開がされていますが、基板レイアウト②のようにループ面積を最小にすることで低ノイズ化が図れます。また、2次側③部分のように、最小沿面距離を保ちパターン化することでも低ノイズ化が図れますので、パターンによる最小ループ化を行う事が望ましいと考えます。

スナバ回路は、スイッチング時に発生する高周波リンギングを吸収する回路ですが、吸収したノイズは、損失として熱に変換されます。そのため、部品配置においては、パターンの沿面距離/部品同士の空間距離だけでなく部品同士の煽り熱も考慮した部品配置が望まれます。特に、電解コンデンサへの煽り熱においては、製品寿命を縮める要因になるため、実際のパター設計においては、これらについても配慮する必要があります。

低ノイズ化を図るうえでは、最小ループ化を行う必要がありますが、電源ユニットにおいては、発熱の問題もあるためバランスよく部品配置を行いパターン設計を行うなど、あらゆる事を考慮する知見が必要となります。

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いかがでしたでしょうか。今回は、スイッチングノイズ対策の基礎をご紹介しました。電源開発・設計ソリューションを運営するペックでは、小ロットからカスタム電源の開発・設計を承っております。さらには、開発・設計のみならず、製造・評価まで一貫対応しており、これまで幅広いお客様のご要望を実現してまいりました。カスタム電源開発・設計に関するご依頼がございましたら、お気軽にご相談ください。

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