スイッチング電源の効率改善における5つのポイント
スイッチング電源において効率とは、入力電力に対する出力電力の割合を指し、効率が高い程スイッチング電源内部での発熱が少ないことを指します。反対に効率が低いと、発熱が多く、ヒートシンクの活用や素子の並列使い等が必要となるため、コストアップや大型化などの弊害につながります。つまり、スイッチング電源では、このような弊害を生まないために、いかに優れた効率の電源設計を行うことができるかが重要なテーマとなります。
当記事では、そんな効率改善におけるポイントをご紹介したいと思います。基礎的なポイントをご紹介しますので、是非最後までご確認ください。
ポイント①:トランスの一次巻線と二次巻線の結合度向上を図る
トランス構造の見直しも有効な対策の1つです。トランスの一次巻線と二次巻線の結合度を向上すればするほど、電力漏れがなくなり、損失が少なくなります。そのため、電源効率を改善を検討している場合には、トランス構造を見直し、一次巻線と二次巻線の結合度を向上を実現できるか確認しましょう。(※ただし、回路方式によっては逆効果となることがありますので、注意が必要です。)
ポイント②:二次側整流ダイオードを見直す
二次側に発生する巻線電圧を考慮した上で、整流ダイオードの耐圧を確認し、ダイオードを順方向電圧(VF)の小さいダイオードを選択します。これにより、電源効率改善の効果を見込むことが可能です。
ポイント③:ゲートドライブ回路を見直す
ゲートドライブ回路とは、スイッチング素子(FET)に電圧をかけて駆動制御するための回路です。効率改善のためには、このゲートドライブ回路の見直しは必要不可欠です。特にターンOFF時のスピードアップを実現することにより、効率改善を見込むことが可能です。具体的な対策としては、ゲートドライブ回路へダイオード、抵抗を追加する等が挙げられます。
ポイント④:ダミー抵抗を取り除く
ダミー抵抗とは、出力安定度を向上する役割をもった部品です。ダミー抵抗を設置することにより、出力安定への効果を発揮する一方で効率の低下につながるケースがあります。そのため、出力安定と効率のバランスを鑑みて、ダミー抵抗を取り除くことで、効率改善を実現することが可能です。
ポイント⑤:スナバ回路を見直す
スナバ回路とは、電気回路のスイッチを遮断する際に起こる段階的な高電圧を吸収するノイズ対策回路のことを指します。このスナバ回路を見直しコンデンサ容量を小さくしたり、抵抗値を上げることにより、ノイズ低減効果が弱まる一方で、電源効率の改善を見込むことが可能です。(※ただし、その際電源仕様に求められるノイズ規格に収まっているか考慮する必要があります。)
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いかがでしたでしょうか。今回は、カスタム電源の効率改善におけるポイントをご紹介しました。電源開発・設計ソリューションを運営するペックでは、小ロットからカスタム電源の開発・設計を承っております。さらには、開発・設計のみならず、製造・評価まで一貫対応しており、これまで幅広いお客様のご要望を実現してまいりました。カスタム電源開発・設計に関するご依頼がございましたら、お気軽にご相談ください。
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