ドロッパー方式における主要部品の選定方法
電源回路の主要部品の選定において重要となる部分では、回路方式が存在致します。
・非絶縁Type:ドロッパー方式/昇圧回路/降圧回路/昇降圧回路/極性反転回路/PFC(力率改善回路)
・絶縁Type :RCC方式/フライバック方式/フォワード方式/LLC共振回路/プッシュプル方式/ハーフブリッジ方式/フルブリッジ方式/etc.
それぞれの回路方式等で電圧波形/電流波形が異なるため、それぞれの回路方式に合わせて主要部品の選定条件が異なります。当記事では、非絶縁Typeのドロッパー方式について纏めます。
ドロッパー方式とは?
ドロッパー方式とは、負荷に対して制御用の半導体が直列に接続された回路であり、その半導体を制御電圧と負荷電流に応じて半導通状態で制御を行うため、スイッチング方式に比べ損失が大きくなります。3端子レギュレーターとかLDO(Low Dropout)は、その代表となります。また、トランジスタを使用して簡易的にドロッパー方式を構成できるため、ドロッパー方式の選定より、随時説明を行います。
トランジスタ・FETの選定
ドロッパー方式は、スイッチング動作を行わないためピーク電圧の発生は、ありません。電流に関しても負荷電流が一定のためピーク電流の発生もありません。最大入力電圧と想定される最大負荷電流を確認したのち、それぞれディレーティングが必要なため、基本20%程度の余裕を持たせることが重要です。(80%)上乗せした値の以上の耐電圧(Vce/Vds)と電流(Ic/Id)より選定します。
注意事項①
ドロッパー方式の場合、入力電圧と出力電圧の電位差✕負荷電流が、半導体の損失になります。24V入力から5V出力/負荷電流0.5Aの回路の場合、損失は、(24V‐5V)✕0.5A=9.5Wとなります。この9.5Wは、全て損失(熱)になるため、この半導体は、それなりの放熱を考慮する必要が発生します。
単純に、最大入力電圧以上の耐電圧(Vce/Vds)と想定される最大負荷電流以上の電流(Ic/Id)を流せるモノとなると28.8V以上で0.6Aとなり、これだけで選定すると小さいパッケ‐ジの部品となります。(基板放熱と放熱構造が構築できるのであれば、その部品を使用する事も可能でしょうが、色んな意味で無駄が多くなります。)
結果、放熱を行いやすい構造であるTO-220パッケージの部品を選定して放熱器に直留めする事になり、電流が0.6Aで十分な所に数A の部品の選定となります。
注意事項②
3端子レギュレーターなど使用上の注意事項として、入出力の電位が逆転すると破損に繋がると言われています。多出力電源ユニットにおいて、サブ回路部分を3端子レギュレーターで構成した場合、電源起動時は、3端子レギュレーターの出力側は、0Vなので入力側の電位が上がり、出力を生成する事になり、入出力の電位の逆転現象は、発生しませんが、電源停止時にメイン回路に負荷電流が流れていて、3端子レギュレーターの出力の負荷が無負荷(0A)の場合、3端子レギュレーターの入力側の電位が急激に下がり、出力側は、無負荷のため、電位が下がらず入出力の電位の逆転現象が発生し、破損に繋がります。
対応策として、次の図のように出力側からショットキーダイオードなどで入力側に電位を移行させる必要があります。
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いかがでしたでしょうか。今回は、ドロッパー方式における主要部品の選定方法をご紹介しました。電源開発・設計ソリューションを運営するペックでは、小ロットからカスタム電源の開発・設計を承っております。さらには、開発・設計のみならず、製造・評価まで一貫対応しており、これまで幅広いお客様のご要望を実現してまいりました。カスタム電源開発・設計に関するご依頼がございましたら、お気軽にご相談ください。
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